普段、手書きで字を書くことが少なくなりましたが、試験では今も鉛筆で原稿用紙に書くのが一般的です。この時、読みやすい字で書くということを心掛けたいものです。小論文の採点をしていると時々、非常に読みづらい字を見かけます。「ン」と「ソ」、「7」と「ク」の区別がつかない場合や、もっとひどい場合には、全体に「ミミズの這ったような字」の答案もあります。筆圧が弱く薄い字、米粒のような小さな字も読みづらいです。字が読みづらいということだけで直ちに減点されることはないでしょうが、印象が悪くなることは確かです。大事な部分が何と書いてあるか読み取れなければ、それは書いていないのと同じことです。その場合は得点に影響を与えることは避けられません。
そもそも答案というのは何のために書いているかというと、採点者に少しでも良い評価をつけてもらって試験に合格するためです。なるべく採点者が読みやすい字で書くというのは当然のことです。「読みやすい字」というのをもう少し具体的に言えば、「元の形を崩さずに書く」ということです。字が上手い、下手の問題ではないです。書の大家が書いた草書体は芸術作品としては素晴らしいものですが、一般の人は何と書いてあるか読むことができません。美しい字でもこういう字は不向きです。ですから、上手い、下手の問題ではないのです。文字の形を崩さないように、そして濃くはっきりと、誰が読んでも分かるように書いてください。文字を崩す癖のある人や筆圧が薄い人はその点を改めてください。
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